弁償脱出
閉じ込められたお屋敷から、謎を解いて出るか、ハンマーで壊して一瞬で出るか。どちらでも出られますが、最後に請求書が届きます。そんな 2D の脱出ゲームです。
作者のいのべえが AI(Claude Code)と組んで作りました。10 月 6 日に作り始めて、19 日までの 2 週間のうち、手を動かした日は 11 日です。このページは、その歩みをまとめたノートです。
紹介動画(29 秒・音が出ます)。南の島にいる執事が、インターホン越しに案内します。
どういう企画から始まったか
脱出ゲームには決まりごとがあります。部屋は動かない、謎を解くしかない、出るのは自分。AI がその決まりを 1 つずつひっくり返して案を出し、似たゲームがないかも調べました。似たものが多い案は外して、5 つの案が残りました。
- 案 1弁償脱出:壊してもいい脱出ゲーム採用
- 案 2寿命で払う脱出:部屋の時間を回すと、自分も歳をとる
- 案 3バラバラ脱出:人形の頭・腕・脚を外して別々に動かす
- 案 4その場から脱出:盛り上がる飲み会から、角を立てずに帰る
- 案 5犬の鼻で脱出:触った跡が「におい」で見える
作者は案 1 を選び、「少しコミカルな感じで」と付け足しました。その後この企画を私(Claude Code)と壁打ちし、さらに企画を確定させて行きました。
プレイヤーが迷うこと
物は壊れない。でも考えている間も「ご利用料」がかかる。1 秒 1 万円。
速い。でも請求される。手がかりや鍵まで、中身ごと壊れることもある。
時間もお金に直して、点数を「請求の合計」1 つにしました。安い物は壊したほうが得、高い物は解いたほうが得。その境目が人によって変わります。どこで詰まっても、扉を壊せば必ず出られます。
歩み
赤い線は、その日に記録した変更の回数です。
v0.1v0.2企画を決めて、その日のうちに遊べた
最初の日は、試しに小さな 3D の脱出ゲームを作りました。本番とは別の物です。次の日に 5 つの案を出し、作者が「弁償脱出」を選びました。
同じ日に、応接間 1 部屋で最後の請求書まで通して遊べる形ができました。絵はすべてプログラムで描いた図形です。続けて 30 秒ほどの 4 コマ漫画のオープニングも足しました。


想定プレイヤーのテスト 1 回目
「速攻で叩く人」「じっくり解く人」など 6 人の遊び方を、自動操作で再現して撮りました。それを 7 人ぶんの AI が、その人になったつもりで見て感想を出しました。
全員が脱出できました。何も壊さず解いた人は 72 秒・71 万円で S。鍵を持っているのに扉ごと壊した人は 3,000 万円台で D。5 人がつまずいた所が 4 つ見つかりました。

v0.3テストで見つかった所を直す
この日から Mac へ引き継いで続けました。オープニングを飛ばした人にも決まりが伝わるよう、決まりの札を 1 枚見せてから請求を始めます。操作の案内も左下に出しました。
御請求書には、壊さなかった物を ¥0 で薄く並べ、「S まで、あと ¥…安く」を足しました。金庫の番号は、遊ぶたびに変わるようにしました。

v0.4紙芝居のオープニングと、3 部屋に
通しの動画を見た作者のひとことは「最初のストーリーがよくわからないので修正します。」「1 ステージ制にしてもっと長くしてもいいかも」。
オープニングを 1 ページ 1 文の紙芝居に作り直し、応接間・書斎・玄関ホールの 3 部屋で 5 分くらいの 1 ステージにしました。部屋ごとに「壊すと困る物」を変えています。

v0.5AI で描いた絵と、派手な破壊
小道具と背景を、AI(Codex)で描いた絵に入れ替えました。平らなマンガ調で描き直しました。
壊す時は、粒・擬音・小判の雨・閃光に加えて、「大損害!!」の帯が出ます。高い物ほど派手になります。

v0.6v0.7v0.8いちばん変更が多かった日
作者の「本当に最高の記録を目指すのは複数周回って、隠れポイントが分かっていく」から、お屋敷の秘密を 6 つ足しました。知っているほど、請求を安くできます。作者の「部屋の余白が大きい」を受けて、家具も大きくしました。
次に「あと 2、3 謎解かないといけないように」。各部屋の謎を 2〜3 段ふやしました。作者の BGM 5 曲と効果音 52 種もこの日に入れ替え、ロゴ・タイトル画面・設定・unityroom のランキング 2 つ(いちばん安い請求・いちばん高い請求)も作りました。


v0.9隠しルートと、小道具の描き直し
作者の思いつきから、隠しルート「お屋敷の闇」を足しました。ふつうの謎では使わないやり方でしか見つからず、作者の頼みどおり「激ムズ寄り」です。
あわせて、質が低く見えた小道具を ChatGPT で描き直しました。甲冑・花瓶・地球儀・水槽など 10 種類です。
中身はここには書きません。2 回目のテストでは「とても難しいが公平」と言われました。

2 回目のテスト・アイコン・紹介動画
難しさを見るため、8 人ぶんの想定プレイヤーでもう一度テストしました。全体は 5 段階で 2〜3。書斎がいちばん難しく、玄関ホールがいちばんやさしい。作者は「玄関ホールに 1 段足す」を選びました。
アイコンを ChatGPT で描き、紹介動画を作りました。最初は 67 秒。作者の「もっと短く、テンポよく全体を見せて」で 30 秒にし、最後は執事が話を進め、お屋敷の「闇」をちらりと見せる 29 秒の形にしました。執事のせりふには、文字ごとに鳴る短い音を付けています。攻略ノートも書き、シャンデリアなど残りの浮いた絵も描き直しました。


途中で大きく変わったこと
図形の絵 → AI で描いた絵(でも雰囲気はそのまま)
太い墨の輪郭線と平らな色。この見た目を守ったまま、絵だけを細かくしました。


4 コマ漫画 → 紙芝居
4 コマは速く切り替わり、誰がなぜ閉じ込められたのかが伝わりにくかった。紙芝居は 1 ページに 1 文で、クリックするまで進みません。


1 部屋 → 3 部屋
1 部屋だと 1〜2 分で終わってしまう。部屋を 3 つにして、部屋ごとに色と「壊すと困る物」を変えました。
1〜2 分で終わる
応接間 → 書斎 → 玄関ホール。5 分くらいの 1 ステージ。
浮いていた小道具の描き直し
全部の小道具を 1 枚に並べて見比べ、浮いて見える物を描き直しました。今の絵とゲーム画面を見本に渡して、形と向きをそろえています。




作者と AI の分担
| だれ | やったこと |
|---|---|
| 作者いのべえ | 5 つの案から企画を選ぶ。「少しコミカルに」などの方向を決める。遊んで直してほしい所を伝える。迷う所はいくつかの案から選ぶ。隠しルートの発案。BGM 5 曲(タイトル・3 部屋・御請求書。Suno で作曲)。 |
| Claude CodeClaude Opus 5.5 | プログラムのすべて。謎・値段・執事のせりふ。自動で遊ぶテストと、想定プレイヤーのテスト。録画と紹介動画づくり。ほかの AI への頼み文と見本づくり。unityroom にゲームを上げる作業。 |
| Codex画像生成 | オープニングの執事とハンマーを握る手の絵。3 部屋の小道具と背景の、最初の AI の絵。 |
| ChatGPT画像生成 | ロゴ、アイコン、ハンマーを握る手の描き直し、旦那様の銅像、持ち物の絵、浮いていた小道具とシャンデリアの描き直し。 |
| Unity AIElevenLabs Sound Effects V2 | 効果音 52 種(素材ごとの叩く音・壊れる音、仕掛けの音、ジングル)。 |
壊す時の粒や煙は Asset Store の素材です(AI では作っていません)。書体は Dela Gothic One・Mochiy Pop One・Noto Sans JP を使っています。
作りながら大事にしたこと
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まず「何に迷うか」を決める
作り始める前に「解くか、壊すか」を 1 文で言えるようにしました。時間も 1 秒 1 万円にして、全部を 1 つの金額にしたので、迷いがそのまま点数になります。
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絵を良くしても、画風は変えない
塗りの絵は作者の「雰囲気変えないで」で取りやめ、平らなマンガ調で描き直しました。その後に描き直した絵も、今の絵とゲーム画面を見本に渡しています。
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想定プレイヤーで、早めにつまずきを探す
テストに出てくる人は、AI が想像して演じた人です。本物の人ではありません。それでも 1 回目で「飛ばすと決まりが伝わらない」「もう一度遊ぶ理由が見えない」が見つかり、決まりの札や請求書の「S まで、あと」につながりました。2 回目では、書斎だけ難しいことが分かりました。本物の人は自動操作の 2〜4 倍かかるという読みもあり、本物の人のテストはこれからです。