Making of / 制作ノート日直 いのべえ

ダイヘン!

― 2年B組 全員出席作戦 ―

遊んでくださる方へ 2026 年 10 月 作者 いのべえ

2年B組は、なぜか休む子だらけ。ちゃんと来ているのは、11 年間いちども休んだことのない主人公です。担任の鬼瓦先生は全員出席以外は認めない厳しい人。

そこで主人公は、休んだ子の名前が呼ばれるたびに、その子の席まで走って座り、その子の声をまねて「はいっ!」と返事をします。先生にバレたら職員室行き。そんな 3D の代返アクションです。

作者のいのべえが AI(Claude Code)と組んで作りました。10 月 4 日に作り始めて、20 日までの 17 日間のうち、手を動かした日は 13 日です。このページは、その歩みをまとめたノートです。

紹介動画(30 秒・音が出ます)。「はいっ!」の連続と、いろいろな仕掛けが出てきます。

出席簿2年B組 制作のきろく
1作り始め10 月 4 日出
2はじめて遊べた10 月 4 日作り始めた日のうちに出
3手を動かした日13 日10/4〜10/20出
4時限8 つ高校 3・大学 3・ゼミ 2出
5生徒手帳に集めるもの151 こ休んだ理由・反省文・称号・出来事出
6ゲームの中の文937 行作者が表で直せる出
7機械に遊ばせた人5 人遊び方のちがうペルソナ出
8組んだ AIClaude CodeClaude Opus 5.5出
計変更の記録70 回◎
1 時間目

どういう企画から始まったか

最初は、手持ちの素材から 5 つの案を出しました。作者は、持っていた教室の 3D 素材を見て「これをテーマに」。そこで教室を舞台に、もう 5 つ考えました。

  • 案 1代返:友だちの席まで走って、その子の声で「はい」と返事する採用
  • 案 2席替え:誰をどこに座らせるかで、授業に事件が起きる
  • 案 3手紙まわし:先生が黒板を向いている間に、手紙を回す
  • 案 4板書:消される前に、黒板を写す
  • 案 5机運び:チャイムまでに、掃除の机を元に戻す

案 1 は、もとは夜の教室で「何か」が出席をとるホラーでした。作者は案 1 を選び、こう付け足しました。

「バカゲーっぽく、コミカルな世界観にします。」作者のひとこと(10 月 4 日)

ホラーをやめて、ほとんどの子がサボった教室で、全員ぶん代返するバカゲーにしました。ここで決めた一言は、最後まで変わっていません。

休んだクラスメイトのかわりに、ぜんぶ「はいっ!」。先生にバレたら職員室行き。一言コンセプト
2 時間目

歩み

赤い線は、その日に記録した変更の回数です(いちばん多い日が 13 回)。

10/4
変更 5 回

v0.1v0.2企画を決めて、その日のうちに遊べた

教室の組み立て・点呼・先生の視線とチョークまでを作り、タイトルから通知表まで通して遊べる形にしました。この時のキャラは、四角い素朴な人形でした。

ところが、画面の文字や演出が、前に作ったゲームとそっくりでした。

「UI が LG-01 すぎる。学校の設定をもっと反映させて」作者のひとこと(LG-01 は 1 本目のゲーム)

そこで画面の部品を、すべて学校の小物で作り直しました。黒板・出席簿・欠席届・校内放送・賞状・赤ペンの花丸です。

10/5
変更 5 回

v0.3v0.4v0.5写実寄りの教室・3 人称・難しさを数で確かめる

作者の「教室のアセットがあるから、それに合わせてリアルな感じに」で、教室の素材と人の頭身のキャラに作り直しました。続けて「ごちゃごちゃしすぎ」「カメラの位置は 3 人称でいいかも」。画面の表示を減らし、主人公の後ろから見るカメラにしました。

難しさは、遊び方のちがう 5 人(はじめて・ふつう・うまい・慎重派・操作が苦手)を機械に遊ばせて数えました。最後の時限は、うまい人でもクリア 0%。しゃがんでも机に隠れられない(頭 55cm・机 73cm)ことも分かり、直しました。大学編の試作もこの日です。

10/7–8
変更 6 回

v0.6v0.7画面から情報を消して、読ませる文は止めて読ませる

「シンプルなUI と説明・世界観」作者のひとこと

遊んでいる間に、ずっと出ている表示をなくしました。出席の数は教室の黒板に、行き先は床の矢印に、成功は吹き出しの花丸にしています。説明はクラスメイトのメモにして、はじめての時だけ止めて読ませます。

代返した子は、出席簿の上では出席です。なので休んだ理由は「欠席届」ではなく、時限の終わりの「そのころ……」で読ませるようにしました。

教室を上から見た画面。クラスメイトのメモに「光ってる席まで、走れ!」、主人公と光る席が赤丸で囲まれている
はじめての代返。カメラを引いて「きみ」と「ここへ!」を見せる。
「そのころ……」の札と、休んだ子の紙。昨日の夜UFOを見たので、もう一度見に行った
「そのころ……」。休んだ子が本当は何をしていたか。
10/11–12
変更 11 回

熱血の主人公と、本気のバカゲー化

主人公を、人型の 3D を作る手作りのキット「きゃらくる」で作り直しました。学ラン・赤いハチマキ・赤いつま先の上履きです。作者の「顔だけ浮いているように見える」「鉢巻きが体を貫通してる」から、首を顔の縁までつなぎ直し、ハチマキは体の当たり判定にそって揺れるようにしました。

学ランに赤いハチマキの主人公の3Dモデル
主人公の皆勤 守。11 年間、無遅刻・無欠席。
主人公の頭と首を前と後ろから見た比較
首とハチマキの直し。前(上)と後(下)。
「この世の最高峰の力でいわゆるバカゲーとして成功しているものを調べて。バカゲーとしてこのゲームが受け入れられるようにしてください」作者のひとこと(10 月 12 日)

成功したバカゲーを 30 本ほど調べ、「真顔でバカ」「失敗がごほうび」「どんどん大げさに」など 12 の決まりにまとめました。そこから、出前のラーメン・窓の外の UFO・廊下を走る犬・身代わりの人体模型・おでこのチョーク・反省文・称号が生まれました。

4つの場面。学生証と変装、窓の外のUFO、廊下の犬、ゼミで教授の正体がわかる場面
学生証と変装・窓の外の UFO・廊下の犬・ゼミの教授の正体。
10/13
変更 13 回

いちばん変更が多かった日:撮って、見つけて、直す

変更点の動画を作るために、決まった時に出来事を起こす「撮る台本」を作りました。撮ってみると、引いたカメラが教室の外の壁を写す、ラーメンの場面で画面が真っ赤になる(先生のどんぶりが 20m になっていた)など、遊んでいるだけでは気づかない不具合が次々に見つかりました。

大学編の主人公(パーカーとジーンズ)と、廊下を走る犬・出前の岡持ちも、この日に 3D で作りました。はじめて unityroom に上げたのもこの日です。

大学編の主人公と、変装のかつらや帽子をかぶった様子
大学編の主人公。顔は高校編と同じ人に見えるように作った。
10/14–16
変更 9 回

オープニング・あそびかた・せってい

作者の「ちょっとバカゲーっぽくコミカルな感じで」で、28 秒のオープニングを作りました。チャイム、本日の欠席に赤い判子、担任と主人公の名札、そして 2 本目のチョークがおでこに刺さってタイトルが落ちてきます。

担任の鬼瓦簿蔵の名札。出席に、とてもきびしい。せりふは全員出席以外は、認めん
担任の鬼瓦 簿蔵。「全員出席以外は、認めん。」
主人公の皆勤守の名札。せりふは今日も、全員出席にしてみせる
主人公。「……今日も、全員出席にしてみせる。」

クラスメイトの名前も、作者の「もっと現実にいない感じの名前にして」で、休んだ理由に合わせた名前(味玉 並助・家出 迷路・兎野 かめ子……)にしました。設定の画面は罫線の紙と見出しの付箋で、キーとボタンの割り当ても変えられます。

設定の画面。罫線の紙に、あそびかた・キーボード・コントローラーなどの付箋の見出し
設定の画面。コントローラーは Xbox・PlayStation・Switch に合わせてボタンの名前が変わる。
10/18
変更 8 回

効果音・ヤバい時の曲・廊下とラーメン

効果音 47 個を、場面に合わせて作り直しました。先生の疑いがたまると、曲が「ヤバい曲」に切りかわります。何もなかった廊下は、ロッカー・掲示板・となりの組の札まで作り直し、出前のラーメンも本物らしい 3D の素材にしました。

立っているのは誰だ、と先生がチョークを投げ、主人公のおでこに命中した場面
見つかるとチョーク。おでこに命中。
10/19–20
変更 13 回

公開の前に、すみずみまで確かめる

字のはみ出し・重なった面のチラつき・出席の数の食い違いを、機械でまとめて調べて直しました(くわしくは 4 時間目)。

ゲームの中の文 937 行を 1 つの表に書き出し、作者が直した文がそのままゲームに入る仕組みも作りました。紹介動画も、作者の直しを入れて組み直しました。

教室で主人公が席に座り、手を挙げて返事をしている場面。黒板に出席7/30
3 時間目の自習。黒板の「出席 7/30」が、返事のたびに増えていく。
3 時間目

途中で大きく変わったこと

画面に出し続けるものを、ゼロにした

前出席の数・内申点・連続数・呼ばれた人の名前などを、画面の端に出し続けていた。
後出席の数は教室の黒板、行き先は床の矢印、成功は吹き出しの花丸。全部、教室の中で見せる。

作者の言葉は「とにかくシンプル」。表示を消して遊び、困った物だけ戻しました。先生の顔と疑いの目盛りも、疑いがたまっている時だけ出ます。

一発ネタを、集めたくなるバカに

前休んだ子の名前を呼ばれて、走って返事をするだけ。
後休んだ理由とその続き・反省文・称号・出来事を、生徒手帳に 151 こ集める。ランキングも「埋めた数」。

同じ子をもう一度代返すると、「そのころ……」の話の続きが読めます。失敗も、反省文や称号として集まります。

高校から、大学とゼミへ

前高校の教室だけ。出席のとり方は、名前を呼ぶ 1 種類。
後大学は時限ごとに、名前 → 出席カードの代筆 → 学生証と変装 → 少人数のゼミ、ととり方が変わる。
大講義室で金髪のかつらに変装した主人公が、階段を走っている
学生証の時限。スクリーンの写真に合わせて変装する。
ゼミの部屋。長い机のまわりに8つの席、主人公が床の矢印をたどる
ゼミは 8 人。顔を覚えられているので、腹話術は使えない。
4 時間目

機械に任せた確かめ

人が全部の画面を見て回るのは大変です。そこで「確かめる道具」を先に作り、機械に遊ばせて調べました。Unity の窓を開かずに、裏で動かして録画もできます。

難しさ

5 人のペルソナに遊ばせる 約 25 倍速

腹話術ばかりの慎重派は、3 時間目を 1 回目でクリアできる割合が 0%。腹話術を軽くして 100% に。ふつうの人の難しさは変えていません。

字

字のはみ出しを探す

字が紙や画面の外に出ていないか、最後の行に 1〜3 文字だけ落ちていないか。高校から大学のゼミまで通して遊ばせ、生徒手帳 17 ページと設定の 6 つのタブも全部見ました。

チラ
つき

重なった面を探す 512 組 → 0

同じ所に 2 枚の面があると、画面がチラつきます。見つけた組を 5mm ずつずらし、6 つの場面すべてで重なりがなくなりました。

数

出席の数の食い違いを探す

黒板・時限の終わりの札・先生のせりふ・通知表の数をそろえました。出席カードの時限で、黒板だけ「0/30」のままだったのを直しています。

5 時間目

作者と AI の分担

作者(いのべえ)
  • 5 つの案から「代返」を選び、「バカゲーっぽく」と方向を決める
  • 遊んで、見て、気になった所を言葉にする(「ごちゃごちゃしすぎ」など)
  • ゲームの中の文を、表で直して確定する
  • 公開・投稿・鍵など、外に出るボタンを押す
AI(Claude Code)
  • プログラムと場面の組み立て(教室・大講義室・ゼミはすべてコードで作る)
  • 3D モデル(主人公はきゃらくる、犬と岡持ちは Tripo)と効果音(ElevenLabs)
  • 難しさ・字・チラつき・数の確かめと、紹介動画の撮影と編集
  • やったことと、なぜそうしたかを毎日このノートの元に書く

AI を使った工程は、ツール名と時期をすべて記録しています。

帰りのホームルーム

作りながら大事にしたこと

  1. とにかくシンプルはじめて遊ぶ人が、説明を読まなくても「光っている席へ走ればいい」と分かること。迷ったら消して、困った物だけ戻す。
  2. 読ませる文は、しっかり読ませる遊んでいる最中に字幕で流さない。説明のメモと「そのころ……」は、押すまで止めて待つ。
うまくいかなかったこと
  • はじめは画面の情報が多すぎて、2 回作り直した
  • 腹話術が安全策として成り立つまで、時間がかかった
  • 字のはみ出しや数のずれを、公開の直前にまとめて見つけた
次のゲームでやること
  • 確かめる道具を、最初に遊べた日から毎日回す
  • 文は最初から表に入れて、作者が直しやすくしておく
  • 説明なしで、ほかの人に遊んでもらう