2年B組は、なぜか休む子だらけ。ちゃんと来ているのは、11 年間いちども休んだことのない主人公です。担任の鬼瓦先生は全員出席以外は認めない厳しい人。
そこで主人公は、休んだ子の名前が呼ばれるたびに、その子の席まで走って座り、その子の声をまねて「はいっ!」と返事をします。先生にバレたら職員室行き。そんな 3D の代返アクションです。
作者のいのべえが AI(Claude Code)と組んで作りました。10 月 4 日に作り始めて、20 日までの 17 日間のうち、手を動かした日は 13 日です。このページは、その歩みをまとめたノートです。
紹介動画(30 秒・音が出ます)。「はいっ!」の連続と、いろいろな仕掛けが出てきます。
どういう企画から始まったか
最初は、手持ちの素材から 5 つの案を出しました。作者は、持っていた教室の 3D 素材を見て「これをテーマに」。そこで教室を舞台に、もう 5 つ考えました。
- 案 1代返:友だちの席まで走って、その子の声で「はい」と返事する採用
- 案 2席替え:誰をどこに座らせるかで、授業に事件が起きる
- 案 3手紙まわし:先生が黒板を向いている間に、手紙を回す
- 案 4板書:消される前に、黒板を写す
- 案 5机運び:チャイムまでに、掃除の机を元に戻す
案 1 は、もとは夜の教室で「何か」が出席をとるホラーでした。作者は案 1 を選び、こう付け足しました。
ホラーをやめて、ほとんどの子がサボった教室で、全員ぶん代返するバカゲーにしました。ここで決めた一言は、最後まで変わっていません。
歩み
赤い線は、その日に記録した変更の回数です(いちばん多い日が 13 回)。
v0.1v0.2企画を決めて、その日のうちに遊べた
教室の組み立て・点呼・先生の視線とチョークまでを作り、タイトルから通知表まで通して遊べる形にしました。この時のキャラは、四角い素朴な人形でした。
ところが、画面の文字や演出が、前に作ったゲームとそっくりでした。
そこで画面の部品を、すべて学校の小物で作り直しました。黒板・出席簿・欠席届・校内放送・賞状・赤ペンの花丸です。
v0.3v0.4v0.5写実寄りの教室・3 人称・難しさを数で確かめる
作者の「教室のアセットがあるから、それに合わせてリアルな感じに」で、教室の素材と人の頭身のキャラに作り直しました。続けて「ごちゃごちゃしすぎ」「カメラの位置は 3 人称でいいかも」。画面の表示を減らし、主人公の後ろから見るカメラにしました。
難しさは、遊び方のちがう 5 人(はじめて・ふつう・うまい・慎重派・操作が苦手)を機械に遊ばせて数えました。最後の時限は、うまい人でもクリア 0%。しゃがんでも机に隠れられない(頭 55cm・机 73cm)ことも分かり、直しました。大学編の試作もこの日です。
v0.6v0.7画面から情報を消して、読ませる文は止めて読ませる
遊んでいる間に、ずっと出ている表示をなくしました。出席の数は教室の黒板に、行き先は床の矢印に、成功は吹き出しの花丸にしています。説明はクラスメイトのメモにして、はじめての時だけ止めて読ませます。
代返した子は、出席簿の上では出席です。なので休んだ理由は「欠席届」ではなく、時限の終わりの「そのころ……」で読ませるようにしました。


熱血の主人公と、本気のバカゲー化
主人公を、人型の 3D を作る手作りのキット「きゃらくる」で作り直しました。学ラン・赤いハチマキ・赤いつま先の上履きです。作者の「顔だけ浮いているように見える」「鉢巻きが体を貫通してる」から、首を顔の縁までつなぎ直し、ハチマキは体の当たり判定にそって揺れるようにしました。


成功したバカゲーを 30 本ほど調べ、「真顔でバカ」「失敗がごほうび」「どんどん大げさに」など 12 の決まりにまとめました。そこから、出前のラーメン・窓の外の UFO・廊下を走る犬・身代わりの人体模型・おでこのチョーク・反省文・称号が生まれました。

いちばん変更が多かった日:撮って、見つけて、直す
変更点の動画を作るために、決まった時に出来事を起こす「撮る台本」を作りました。撮ってみると、引いたカメラが教室の外の壁を写す、ラーメンの場面で画面が真っ赤になる(先生のどんぶりが 20m になっていた)など、遊んでいるだけでは気づかない不具合が次々に見つかりました。
大学編の主人公(パーカーとジーンズ)と、廊下を走る犬・出前の岡持ちも、この日に 3D で作りました。はじめて unityroom に上げたのもこの日です。

オープニング・あそびかた・せってい
作者の「ちょっとバカゲーっぽくコミカルな感じで」で、28 秒のオープニングを作りました。チャイム、本日の欠席に赤い判子、担任と主人公の名札、そして 2 本目のチョークがおでこに刺さってタイトルが落ちてきます。


クラスメイトの名前も、作者の「もっと現実にいない感じの名前にして」で、休んだ理由に合わせた名前(味玉 並助・家出 迷路・兎野 かめ子……)にしました。設定の画面は罫線の紙と見出しの付箋で、キーとボタンの割り当ても変えられます。

効果音・ヤバい時の曲・廊下とラーメン
効果音 47 個を、場面に合わせて作り直しました。先生の疑いがたまると、曲が「ヤバい曲」に切りかわります。何もなかった廊下は、ロッカー・掲示板・となりの組の札まで作り直し、出前のラーメンも本物らしい 3D の素材にしました。

公開の前に、すみずみまで確かめる
字のはみ出し・重なった面のチラつき・出席の数の食い違いを、機械でまとめて調べて直しました(くわしくは 4 時間目)。
ゲームの中の文 937 行を 1 つの表に書き出し、作者が直した文がそのままゲームに入る仕組みも作りました。紹介動画も、作者の直しを入れて組み直しました。

途中で大きく変わったこと
画面に出し続けるものを、ゼロにした
作者の言葉は「とにかくシンプル」。表示を消して遊び、困った物だけ戻しました。先生の顔と疑いの目盛りも、疑いがたまっている時だけ出ます。
一発ネタを、集めたくなるバカに
同じ子をもう一度代返すると、「そのころ……」の話の続きが読めます。失敗も、反省文や称号として集まります。
高校から、大学とゼミへ


機械に任せた確かめ
人が全部の画面を見て回るのは大変です。そこで「確かめる道具」を先に作り、機械に遊ばせて調べました。Unity の窓を開かずに、裏で動かして録画もできます。
5 人のペルソナに遊ばせる 約 25 倍速
腹話術ばかりの慎重派は、3 時間目を 1 回目でクリアできる割合が 0%。腹話術を軽くして 100% に。ふつうの人の難しさは変えていません。
字のはみ出しを探す
字が紙や画面の外に出ていないか、最後の行に 1〜3 文字だけ落ちていないか。高校から大学のゼミまで通して遊ばせ、生徒手帳 17 ページと設定の 6 つのタブも全部見ました。
つき
重なった面を探す 512 組 → 0
同じ所に 2 枚の面があると、画面がチラつきます。見つけた組を 5mm ずつずらし、6 つの場面すべてで重なりがなくなりました。
出席の数の食い違いを探す
黒板・時限の終わりの札・先生のせりふ・通知表の数をそろえました。出席カードの時限で、黒板だけ「0/30」のままだったのを直しています。
作者と AI の分担
- 5 つの案から「代返」を選び、「バカゲーっぽく」と方向を決める
- 遊んで、見て、気になった所を言葉にする(「ごちゃごちゃしすぎ」など)
- ゲームの中の文を、表で直して確定する
- 公開・投稿・鍵など、外に出るボタンを押す
- プログラムと場面の組み立て(教室・大講義室・ゼミはすべてコードで作る)
- 3D モデル(主人公はきゃらくる、犬と岡持ちは Tripo)と効果音(ElevenLabs)
- 難しさ・字・チラつき・数の確かめと、紹介動画の撮影と編集
- やったことと、なぜそうしたかを毎日このノートの元に書く
AI を使った工程は、ツール名と時期をすべて記録しています。
作りながら大事にしたこと
- とにかくシンプルはじめて遊ぶ人が、説明を読まなくても「光っている席へ走ればいい」と分かること。迷ったら消して、困った物だけ戻す。
- 読ませる文は、しっかり読ませる遊んでいる最中に字幕で流さない。説明のメモと「そのころ……」は、押すまで止めて待つ。
- はじめは画面の情報が多すぎて、2 回作り直した
- 腹話術が安全策として成り立つまで、時間がかかった
- 字のはみ出しや数のずれを、公開の直前にまとめて見つけた
- 確かめる道具を、最初に遊べた日から毎日回す
- 文は最初から表に入れて、作者が直しやすくしておく
- 説明なしで、ほかの人に遊んでもらう